琴平町のこども園が保育ICT導入、連絡業務の削減を地域DXにつなげる視点を象徴する保育現場の写真

ニュースの概要

香川県琴平町のこども園2施設では、10月1日から保育ICTサービス「CoDMON」の利用が始まりました。連絡帳の作成や登降園の記録、指導計画づくりなど、日々の事務をデジタルで扱い、紙中心の管理を見直す取り組みです。保護者はアプリから欠席や遅刻を知らせられるため、園は電話を受けて内容を書き写す手間を減らし、情報をその場で確認できます。今回の導入は、個々の園の作業改善にとどまらず、町の行政事務をデジタル化する動きや、県内施設への普及を考えるうえでも参考になる事例です。

引用元: 香川県琴平町のこども園2施設が保育ICTサービス「CoDMON」を導入(PR TIMES)

分析・見解

電話と転記を減らし、朝の受け入れを整える

欠席や遅刻の連絡が電話からアプリに移ると、園では応対中に保育の手を止める場面や、聞いた内容を紙へ書き直す作業を減らせる。特に朝の受け入れ時間は、登園する子どもの確認、保護者への対応、職員間の申し送りが重なる。連絡を一覧で確認できれば、誰が何時に来るかを複数の職員で共有しやすくなる。ただし、連絡手段を変えるだけで職員配置の問題が解決するわけではない。削減できた時間を、子どもの様子の確認や保護者との対話に回せるかが成果を左右する。

記録の電子化は書類削減だけでなく引き継ぎを変える

連絡帳や登降園記録、指導計画が電子化されると、紙を探す時間や保管場所を抑えられる。過去の記録を日付や子どもごとに確認しやすくなり、担当者が休んだ際の引き継ぎにも役立つ。紙の帳票をそのまま画面に置き換えるだけでは、入力欄が増えて負担が残ることもある。記録の目的を見直し、同じ情報を連絡帳と日誌の両方に入力しない設計が重要だ。職員が記録に費やす時間と、記録が保育の改善に使われた場面の両方を確かめたい。

小規模な導入でも町の行政DXに広がる可能性

町内の2施設から始める形には、運用上の課題を把握し、他施設へ広げる前に手順を整えられる利点がある。施設ごとに異なる帳票や承認方法を確認し、共通化できる部分と現場ごとに残す部分を切り分けられるからだ。園の記録が行政の報告や確認に使われる場合、データの形式や保存期間を早い段階でそろえることも欠かせない。現場で入力した情報を、別の書類へ再入力する状態が残れば、デジタル化の効果は限定される。園と町が一緒に業務の流れを点検することが、地域全体の事務効率につながる。

利用者の違いを前提に、紙との併用を設計する

アプリを使う保護者の割合や、スマートフォンの扱いに慣れている程度には差がある。導入初期にアプリのみを前提とすると、利用が難しい家庭との連絡がかえって複雑になるおそれがある。電話や対面での連絡も一定期間残し、職員が受けた情報をどこへ記録するかを決めておく必要がある。操作方法を一度説明して終わりにせず、問い合わせが多い項目を案内に反映することも大切だ。便利さだけでなく、すべての家庭が必要な情報を受け取れるかを基準に運用を整えたい。

ビジネスへの影響

導入効果は削減時間と保育への還元を一緒に測る

施設の責任者や自治体が導入を検討する際は、「便利になった」という感想だけで判断せず、導入前後の業務を記録するとよい。例えば、電話による欠席連絡の件数、連絡帳の作成時間、登降園記録の確認や転記にかかる時間を、一定期間にわたり比べる。職員全体の合計時間で見ると、どの業務に改善があったか把握しやすい。あわせて、削減時間を子どもとの関わりや保護者への説明に使えたかを確認する。記録作業が減っても、別の確認作業が増えれば効果は小さい。導入前に現状の手順を書き出し、重複入力や承認待ちも含めて見直すことが、費用に見合う成果につながる。

契約前に運用支援と情報管理の責任分担を確認する

サービス選定では、機能の数だけでなく、初期設定、職員研修、問い合わせ対応を誰が担うかを確認したい。施設ごとに異なる連絡方法や記録様式を、どこまで設定できるかも重要である。さらに、子どもの氏名や健康に関わる情報を扱うため、閲覧できる職員の範囲、端末の紛失時の対応、退職者の利用停止、データの保存と出力方法を事前に決める。町と施設のどちらが管理責任を持つかも明確にする必要がある。導入後は職員と保護者の意見を集め、使われていない機能や負担の残る手順を見直す。小さく始めて効果を確かめ、共通の運用ルールを整えてから対象施設を広げる進め方が、現場の混乱を抑えやすい。

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